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「about "ITS"」
一昔前の作曲家達、例えばバッハやモーツァルト、ベートーヴェンなどの作品(曲)には、 それぞれにナンバリングがされている。俗にいう作品番号である。ボクの"ITS"も大意は
そういったナンバリングと同じだが、唯一異なる点は"ITS"の場合、作品番号ではなくて 仕事番号であるという点にある。基本的には、ボクが携わらせて戴いた仕事において、
自分のオリジナリティーが要求され、さらには何らかの形として残るものには"ITS"という イニシャル(ロゴ)に引き続き、ナンバーリングさせて戴いている。ちなみに"ITS"とはIWASHIRO
TARO SOUNDの略である。この数年間、自らの作品性を探求しつつも、常に締め切りと背中合わせで時間に追われながら、右から左にと数多くの仕事を日々消化していかなければならない生活が
続いている。しかしそんな状況下においても、少なからず自分らしいと思えるオリジナリティーを 探求し、このナンバーリングをCreditすることで、仕事に対して出来うる限りの作品性を求めていく
というボクの制作姿勢を明確に打ち出し、かつ手掛けた仕事を形として残す意義や責任感を改めて 自覚し続けたい。そんな想いが数年前にリリースしたOriginal
First Album"ITS"のCreditから、 このナンバーリングをスタートさせた。実はそんな"ITS"のナンバーリングにはもう一つ、とても
大切な夢がこめられている。それは、将来作曲家としての活動に終止符を打ち、やがては訪れるで あろう死期が近づいてくる頃、このITS 001から始まる仕事番号リストに今一度目を通しながら、
自分が今まで創り上げてきた数々の作品(音楽)にのんびりと耳を傾け、数々の仕事で出逢ってきた 友人達の顔を想い浮かべつつ、大好きなカクテルでも味わいながら棺桶へ入りたいと心秘かに願っている。
なんとも贅沢な人生の幕ではなかろうか。そう考えると、ITSナンバーリングのラスト・ナンバーはボクの 遺骨が収められるであろう骨壷にでも記すのが良いのかも知れない。
April, 2000 岩代太郎 |
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