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「秋節日月抄 ~其の弐~」

どうもこのところ、「食の秋」に魅了されすぎて、ついに人生最高体重に達してしまったボクです。 というわけで、成人病予防の為にも、そろそろ「スポーツの秋」に意識改革しなければならないようです。 皆さんはどんな秋をお過ごしでしょうか。是非お便り下さい。さてあと数週間で、いよいよ1年と5ヶ月間 におよぶ制作期間を要したNHK大河ドラマ「葵~徳川三代」のレコーディングに幕が下ろされます。正直なところ予想以上に大変な仕事でしたが、その期間中を今一度想い起こしてみると、脳裏の中では実に様々な私的ドラマが 目まぐるしく織りなされてきます。そして、心の片隅では「やっと終わる」との解放感。その一方では、「いつものメンバーとも、これでしばしのお別れ」との一抹の孤独感。何とも複雑な想いです。とくにこの約10年間 ほどの作曲家人生において、初めての長期的レギュラー番組仕事であったこともあってか、今までには味わったことのない充実感や後悔など、なかなかに複雑な想いでいっぱいです。月並みではありますが、最終レコーディングの後は、音楽制作メンバーやミュージシャンの面々との打ち上げ宴会を催し、これまでの想い出を肴に一夜限りの花を咲かせようと今から楽しみにしています。実の所、身の周りではすでに来年以降の仕事が多数動き出しているので、そういつまでもセンチメンタルなひとときにこの身を委ねているわけにもいかないのですが。 ま、たまにはこういうのもいいでしょう。 考えてみると、この約10年間は本当にマネージャー共々走り続け、仕上げ終わった仕事と共に過去をしみじみと振り返るといったことは、皆無に等しかったように思えます。ボクにとってのミレニアム。 偶然ですが、実に記念すべき1年であったように思えます。ボクの中に宿る新しい芸術への向上心と探求心。心が弾むような仲間との出逢いとその将来性。新世紀への期待感。そのすべてを与えてくれた芸術の神へ、 今一度心からの敬意と感謝を捧げたいと思います。新世紀を迎えるにあたり、ボクはあらためて、「この世で最も輝きある芸術とは、そこに触れ、目にし、聴いた者の心にだけ宿るものである」と信じています。

Nomember, 2000 岩代太郎
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© 2007 Taro Iwashiro